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夏の夜

鏡の身体より残る鉄仮面の残りである爪が凧のように
床を飛び去ってゆく飛行の影に降りる。

鏡の身体の手帳、静かな内部の放牧である階段 今ま
でそこに座っていたものをいつか忘れさり階段に光る
星の鎖として流れ去る。月もなく星もない薄い夜の底
に沈んでゆく崩れた床のチャイムが夕闇の中で思い至
る この星の桃の二つの目の言葉より取り出し打ち合
わせもなくまぶかな月の端に土巡る土塁溝に跳ねるも
ぐらもち 砂の中の一つの骨であるような燈明が動き
出す、ただ一つの雨の前の広場から、砂もぐら、反転
する前の星の骨格が十字となって突き上げる大海の端
にみえるとして、両面ある

a

小さな手帳の終わり、
砂ももぐらの墜落
落雷と砂の影を掘りながら
袖口の振り払う地中の中の花
爆地雷の取り巻き、トータルの星よりも
動かない幼類の花、余裕もなく
動いているA,B両面の裂かき実の
花と欲し

木星くじらの骨
砂に埋もれた足跡が
乾いた奇跡を踏み分け

P,SLIP,SLIP,S

何時か、私達へ、
あたる時の音、

風の音が止み、
すだ、しいたらけな、
そのくらなり、

たちとまる

ふる

日曜
月のとおりに
彼女の経血と
頭痛から糸が出る

眠る屋根絡みの部屋
音だけが聞こえ
忍び夜の男

赤い残りかすか
畑の卵生の恵より遥かな

遠かずら、娘、月、
早足に、
昨日、牧ノ原を過ぐ



早苗、早苗が、私達の昔日より、骸へ
雷雨、花近き足音をかき抱き
鐘が鳴り、日は明暗を行き過ぎて
泡立つ女達の酒、指より先をなめ

陸の巨大な図、体の星、彼女の頂に
あれは涙の星だ、真昼の休みの刻

天の川な常緑の空
絶えたる天のその裸体
熱が季節につき、走り去りつつ
体を現し、局、

不在の計り
常にも、わたかまりを消し
ノヴェラは開く
私達が穏やかに聞いている、
どこかの雷の庭に降りる

生体化学のペン先
彼の精子が、闇のナターシの首
ルビ色を、原野たるロクレスの園へ招き
ブランコプランコトンなる私達の新然
ばねが鳴き
内桃の少女を捕らえ、打ちわめくの山
相手打つ天の交配距離

(「来るべき夏休み (仮題)」 Studio Cult Movies近刊 http://cults.fc2web.com/index.htm)

来るべき夏休み

レスビアンラヴ、ノート
とんぼ ガチョウペン、日光
ナウマン象、水上の星
リーマン、空、城

枯れてゆく
立ち上がり、風を歩く
石の並木道
角柱

宙空へ放たれ
燃え上がる

風をかわした太陽の落石
トーテムポール海岸

空の眼球に
ブロンズ
夏休みのように涼しい


(「来るべき夏休み (仮題)」 Studio Cult Movies近刊 http://cults.fc2web.com/index.htm)

サランボー

サランボーの時に網掛けて
二重の星の庭に降りる

帰る前に戸を開けると
外の闇に光が見える

惹かれて入ってみると
印のついた写真に
早口のサランボーだけ

雨のない季節は終わる
星の内側に風が生まれて

昔のような電話だけ
坂を降りる休みの時

惹かれて入ってみると
印のような写真に
早口のサランボーだけ

いけない話のように
楽に眠ってるベルは
サランボーに答えるだけ

(アルバム "D" いまさらイスラエル 未発表)

夢の記録6月20日

 どこか街の外れの庭のある洋館の二階で、もう何年もあっていない人と話をする。そこの館に住んで何か作っているらしかった。自分は護身用だという何かをみつけられて、中に連れて来られたのかも知れなかった。その人たちに「気に入ってもらえば安全。」だというが、確かにそうだろうなという気がする。しかし、何もかもが途中で止まっているような著しい焦燥感、或は諦念を感じる。
 またどこかで二十年近くお会いしていない先生と話をする。「先生の本は間違えて二冊も購入しました。」という。前に読んだのに忘れてしまいまた購入したのだった。
 この二つの話をつなげているのは幽霊だったかもしれない。幽霊か幽霊のようなものが、或は木の陰から覗き、或は部屋の中にじっとしていたりした。普段は見えもしないものが、突然現れて、それが当然であるかのようにそこにいるのだろう。

海にいるさかな

浜辺の近くに夏の太陽があるの
明るい浜辺で

あなたがいなくても
別の人もいるの
それでいいことなの
気にしないでね

波のひろがり、わたしは溺れてるの
海にいるさかなが素早く泳ぐ

危ないこともあるけど
海にいるさかなは
あなたと別のものなの
そういうわけなのね

(アルバム「さかなの唄」いまさらイスラエル (1984) )